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木内 清; 早川 均*; 林 政範*; 菊地 正彦
Proc. of the Int. Symp. on Material Chemistry in Nuclear Environment, p.65 - 78, 1992/00
原子力基盤総合的研究(クロスオーバー研究)の重点課題である「原子力極限環境用材料の開発に関する研究」として実施している耐食合金開発に関する研究報告である。当該研究では、環境の腐食性の強い再処理硝酸環境及び重照射を受ける原子炉炉心高温水環境で使用される構造材料を念頭にした耐食合金開発を進めている。前者では、対象環境の酸化力に対応した3系統の耐食合金、R-304ULCの最適化、高Cr複合添加合金及び臨界安全対策を加味したチタン等のリフラクトリー金属材料の改良・開発原理の探索、試作評価試験を進めて、実用性の高い各合金を選定して、試作材の特性評価を実施している。後者では重照射に伴う低温鋭敏化機構の解析と、オーステナイト相の安定化、高純度化及び金属組織制御等の材料改善対策の検討を進めて、総合的な耐照射性の優れた合金系を選定した。
早川 均*; 木内 清; 菊地 正彦; 山之内 直次*
Proc. of the Int. Symp. on Material Chemistry in Nuclear Environment, p.427 - 435, 1992/00
再処理プラントの主要構成機器に用いられる純Zrおよび比較材として純Ti,Ti-Zr合金に関して沸騰硝酸中における耐食性、応力腐食割れ性(SCC)を評価した。その結果、流動沸騰硝酸中での純Tiの腐食量は流動速度が大きくなるにつれ増加した。またバッチ式沸騰硝酸溶液で腐食試験を行なったところ、Ti-Zr合金は純Ti,純Zrと比べ腐食量が増大し、Zr含有量で20%付近が上限となった。一方、定速低ひずみ引張法を用いてSCC試験を実施したところ、純TiおよびTi-Zr合金ではSCCの傾向が認められなかったのに対し、純Zrは沸騰硝酸中における絞り値の低下および表面割れの発生が観察された。またこの傾向は硝酸濃度の増加および応力集中を容易にした切欠入り試験片を用いての試験により顕著となった。これらの結果をもとに試験合金の沸騰硝酸における腐食およびSCC挙動のメカニズムについて検討を加えた。